この記事は、前回の「体験談」記事の続編です。
実際に娘が犬に噛まれた体験を踏まえて、「狂犬病ワクチンってどう違うの?」「発症率は?」「RIGってなに?」などを整理してまとめました。
もしまだ体験談を読んでいない方は、ぜひあわせてご覧ください 👉
⚠️ 本記事は筆者の海外での体験をもとに、WHO・厚生労働省など公的機関の公開情報を整理したものです。医療的な助言を目的としたものではありません。体調やケガに関しては、必ず医師や専門機関にご相談ください。
💡 狂犬病とは?
- 発症すれば致死率はほぼ100%という恐ろしい病気
- 犬だけでなく、猫・コウモリなど哺乳類全般から感染
- 潜伏期間は1〜3か月が多い(ただし数日〜1年以上の例もあり)
- 初期は風邪に似た症状 → ピリピリ感などの異常感覚 → 恐水症・けいれん・呼吸障害へと急速に悪化
日本では1957年以降、国内感染はゼロですが、1970年・2006年(2件)・2020年に海外からの輸入例が4件報告されています。一方で、アジアやアフリカでは今も広く存在しています🌍
⚠ 日本と海外の違い
- 🇯🇵 日本 → 国内感染はゼロ、狂犬病はほぼ「撲滅状態」
- 🌏 海外 → バリ島を含むアジア・アフリカの多くの国では、今も多数報告
つまり「日本では心配いらない病気」でも、海外に行った瞬間にリスクが高まります✈️
💡 噛まれた直後にやるべき4つのこと
これは秒単位で動くべきリストです。
📝 噛まれた直後の行動リスト
- 傷口を流水と石けんで15分以上しっかり洗う
- アルコールやヨードで可能な限り消毒
- すぐに病院へ(狂犬病ワクチンを扱う施設が望ましい)
- ワクチン接種スケジュールを必ず記録する
💡 ワクチンの種類と接種法
WHOが推奨するスケジュールにはいくつかあります👇
- 皮内接種(ID法・3回通院):0・3・7日目(各回2か所)
- 筋肉注射(IM法・4回):0・3・7・14日目(Essen短縮法)
- 筋肉注射(IM法・Zagreb法):0日目に2本+7日・21日(計4本、3回通院)
- 免疫抑制がある場合:0・3・7・14・28日の5回法
👉 どの方法も効果は高く、最重要なのは「最後まで打ち切ること」。途中で大幅に遅れると免疫が十分つかない可能性があります⚠️
💡 RIG(免疫グロブリン)とは?
RIG(Rabies Immunoglobulin)は「即効でウイルスを中和してくれる抗体」です。
- WHO基準で「カテゴリIII曝露(皮膚を破る咬傷や出血する引っかき、粘膜汚染、コウモリ接触など)」で投与対象
- 原則、暴露から7日以内に創部へ浸潤させる
- ワクチンが効き始めるまでの「つなぎ」として重要💉
⚠ 今回の私たちのケース
- インドネシアのバリ島、ヌサドゥアのゲゲルビーチで、小学生の娘が野良犬に噛まれる(両足5か所以上😭)
- 2時間以内に現地病院でフランス製ワクチン「VERORAB」を接種
- 傷は浅く、現地医師判断でRIGは投与せず
- 帰国後、日本で国内承認ワクチンに切り替え
- 当初は短縮法予定 → 日本の医師から5回法を提案されたが、最終的に短縮スケジュールで継続
💡 医師によって見解が異なる部分はありましたが、一貫して「スケジュールを守ること」が最優先だと学びました。
💡 発症率と日本人の記録
- 狂犬病ウイルスを持つ動物に噛まれた場合のリスクは、部位・深さ・ウイルス量・処置の有無で大きく変動。
一律の「○%」という数字は出せません。 - ただし、適切にワクチンを打てばほぼ100%予防可能
- 日本人渡航者の発症例:過去70年で4件(いずれもワクチン未接種)
- 動物咬傷の相談は毎年多数ありますが、適切な対応がされていれば発症例はほぼゼロ
💬 最後に
海外での犬・猫との接触は、ほんの一瞬でも「命に関わるリスク」になります。
私たちも、ビーチで笑っていた数分後には病院を探していました。
でも、「洗う・病院に行く・ワクチンを打つ」を即行動できたからこそ、今こうして冷静に振り返ることができています。
⚡ まとめ:狂犬病は「時間との勝負」
知識と準備が、あなたと家族の命を守ります。
📌 追記
日本に帰国して、2回目の接種が終わったところです。
海外で犬に噛まれるという、その瞬間はもちろん恐怖でしたが、今もなお不安は続いています。
海外旅行の際は、ぜひ「狂犬病PEP(曝露後予防)」に対応できる病院情報を事前に調べておくことをおすすめします。ちなみに、こちらは成田空港の検疫の方から紹介していただいた、狂犬病のワクチン接種をしていただける病院リストになります。狂犬病という特殊なワクチンということもあり、どこの病院にも用意されているものではないので、こちらの「狂犬病ワクチンの接種可能医療機関一覧」を参考にされてください。
👉 本記事は一般的な情報を整理したものであり、最終判断は必ず医師の指示に従ってください。
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コメント
コメント一覧 (1件)
いつも楽しみにしてますっ
コメント届きましたかね