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フィリピンのセブ島 子連れで旅行して気づいたこと

2024年の冬、家族でフィリピンのセブ島に1週間の旅行に出かけた。

小学生になった子ども2人を連れて、家族4人全員でははじめての海外旅行。

普段生活している日本を離れ、子ども達は何を感じとるのか、日本の良さを再認識する機会になるだろうか、と期待していたが、親が望んでいるような反応が得られないこともあるようで…。

目次

家族で海外旅行するにあたって、痛感したこと

これから小学生くらいの子どもを連れて海外へ旅行しようと思っている人たちへ伝えたいことは、子どもたちは思った以上に、寺とか歴史的な建造物とかショッピングモールには興味ないぞ、ってことね。

それを痛感する事になったのは今年の1月の冬休み。

フィリピンのセブ島をやはり家族で訪れた時のこと。

初日は、ご飯をゆっくり食べたり観光をしよう、ということでホテルの近くにあったラプラプの銅像までお散歩に。

アジアの舗装されていないような道って、歩いているだけでもテンション上がるのわかります?

少なくとも私と妻は久しぶりの海外に大興奮。で、子どもたちは…というと。

めちゃつまらなそうな顔をして、私たちの10歩遅れてちんたら着いてくる。

「あつい。」「のどかわいたーー。」「ホテルもどりたい。」

あのね、このラプラプってすごい人なのよ。世界一周したマゼランっているでしょ?

実はマゼランってね、世界一周したって言われてたけど、実はこのセブ島で、ラプラプと戦って、なんと亡くなっちゃってるんだよ。わかる?

「ふーん」「スイカゲームやりたーい」

暑いのはわかるんだけどね…
ラプラプの銅像

フィリピンのセブンイレブンでの出来事

そんなやりとりをしながら、ラプラプの公園へやってくる直前に、現地のセブンイレブンでアイスクリームを買った時のことを思い出す。

入り口のところでお客さんのためにドアを開けたり閉めたりしている、それこそ我が家の子どもたちと同じくらいの年齢の男の子がいた。

「父ちゃん、あの男の子、ドア開けたり閉めたりして何してるの?」

「多分ね、貧しくて、ご飯食べるお金とかもなくて、自分にできることを探してお金もらおうとしているんだよ」

「そうなんだ」

「日本ではあんまり見ないでしょ。海外にはいろいろな人がいるねえ。」

というやりとりがあったばかりのこと。

自分たちは、好きなアイスを食べながら、旅行をしている。

かたや同級生くらいの男の子は一日中セブンイレブンのドアを開けたり閉めたりしながらその日をしのいでいる。

子どもたちなりに感じる物はあるだろうか、と思った直後のラプラプだったので、なんだかな、という気持ちになった。日本と違う文化に触れて、日本は恵まれているんだ、とか彼らなりにいい経験ができるか、などという期待を持っていただけに、ここまで興味を持たないのは正直びっくりした。

「あのさ、ラプラプつまらないの?」

「うん。」「泳ぎたい!」

「…じゃあ泳ごうか」

ということで、ホテルに戻ってちょっとしたプールで泳ぐと、それこそ水を得た魚のようにいい笑顔で泳ぐんだな、これが。

もはやセブ島など来ずとも、近所の市民プールで泳いどけ、という話。

そうかー、海外の経験だとか、文化や歴史だとか、現地の人との交流だとか、難しいこと考えないで、目の前にあるプールに入って泳ぐことが一番わかりやすくて楽しいんだなということを学んだ海外旅行となった。

セブ島の一般市民の暮らしをのぞかせてもらう

次の日、プールで泳ぎ疲れた子どもたちは、寝坊と二度寝で部屋でゴロゴロ。

私は早起きしてホテルの外を散歩していた。

すると道路を挟んで向かい側が、スラムとまではいかないものの、だいぶ古い住居が所狭しと並んでいることに気がついた。そのエリアの中心にある教会を見学していると、30代くらいの男性が話しかけてきた。聞くとこのあたりはいつかの台風でかなり被害を受けてしまっていて、もしよかったら自宅を見にくるか、というお誘いをいただいた。

現地の人が実際に生活している家に入れるとは、貴重な機会とばかりに、男性に一つ返事でお願いして、さらにホテルでゴロゴロしている子ども達も呼んで、一緒に見せてもらうことにした。

道には野良犬のフン、プラスチックやペットボトルのゴミ。悪臭も漂う。

路地裏を歩く道すがら、子どもたちは怖がって緊張しているのがわかる。

狭い土地にこれだけの人がいるのか、というくらい横から突然、にょきっと人が現れる。

洗濯機がないのか、中学生くらいの女の子がタライに水を貯めて洗濯をしている。

家の中は真っ暗。キリストのポスターが1枚はってあるだけの2畳ほどの部屋に布団が1枚敷いてあり、ここで4人で寝ているのだとか。

階段を上がって2階に上がると、雨漏りをするのだろう、洗面器で水を溜めている。

埃の被ったテレビは壊れて動かない。

前回の台風で水でやられてしまったんだ、と教えてくれた。

男性は自分の家に続いて、親戚の家や友達の家など、ひとしきり案内をしてくれて、そのあと写真を撮って別れた。

「家、見て回れて、どうだった?」

「ちょっと怖かった」

「日本の家と比べると違うところ結構あったでしょ。遠く離れたところで、色々な家に住んでいる人がいるんだよ」

「そうなんだね」

私も詳しい事情がわかるわけではないが、きっと台風で家が壊れちゃったりして、修理するにもお金が足りなくて、というような状況なのだろうと思う。

それでも案内してくれたお兄さん家族をはじめ、家族の人たち、突然異国の地から訪ねてきた外国人を笑顔で迎えてくれる。

フィリピンの懐の深さを感じる。

子どもたちは、どうしてわざわざフィリピンまで来て、知らない人の家を見学してるのかと思っただろうか。よくわからない、といった顔をしていた。

目の前には青い海。難しいことを考えるのはやめよう。

子どもをと海外旅行するときの親としての心構え まとめ

いつか思い出す時が来るかもしれないな。その時に、なぜか案内してくれた家族の人たちみんな優しかったな、とか、何のために父ちゃんはわざわざホテルから連れ出すようなことをしたんだろうと考えるかもしれないな。あるいは、ずっとわからないままかもしれない。

いずれにしても、思うのは、親が海外旅行で経験値を増やしてやろう、なんていのことはうまくいくはずがなくて、子どもたちと一緒に1週間も海外で過ごせるなんてことはありがたいことなんだよな、中学生になったら忙しくて来れないかもしれないもんな、っていうことを肝に銘じて、たくさん泳がせて遊ばせてやればいいっていうことね。

そんな思いを込めて、次回もたくさん泳げる場所に行こうと心に誓った。

そして、2024年夏、タイのプーケットへ行ってきたのだが、、、これがまたハード過ぎる旅になるとはこのときはまだ思いもしなかったのです。

プーケット旅行の感想は、また次回に語ろう!

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この記事を書いた人

小学生の2児の父。学生時代に東南アジアを旅したことがきっかけで、高校で15年ほど地理を教えています。地理学が生活に役立つことを発信してみようとブログを始めました。世界を旅しながら素材を集めてオリジナルの教科書を作ってみたいと思いつつ今日に至っています。

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